岡山大学大学院医歯薬学総合研究科ヒトES細胞倫理審査委員会 第12回委員会議事録
日時:平成17年10月24日 午後1時〜2時35分
場所:歯学部第一会議室(歯学部棟2階)
出席者:A,B,C,D,E,F,G,K
欠席者:H,I
資料:岡山大学大学院医歯薬学総合研究科ヒトES細胞使用研究実施指針
ヒトES細胞使用計画審査項目および基準
岡山大学大学院医歯学総合研究科病態制御科学専攻腫瘍制御学講座ヒトES細胞使用規則
研究実施報告書
ヒトES細胞使用記録簿
ヒトES細胞専用実験室入退室記録簿
ヒトES細胞を使用した研究計画に対する審査等手順
 
A : それでは時間ですし、出席予定の委員の方はおそろいですので委員会を開催したいと思います。
 本年度の第3回,通算第12回ということでございます。
 今日は,事務の方から,事務部長さんと総務課長さんが出席されております。何かごあいさつがございますか。
事務部長: いや,特にないです。
A : よろしくお願いいたします。
 まず,資料の確認をしていただきます。資料1が平成17年7月7日に制定いたしました「ES細胞の使用研究実施指針」ですね,これは皆さんの審議に基づいて制定したものでございます。参考のためにおつけしております。
 それから,資料2は,その以前にこの委員会でこういう項目と基準に基づいて審査をいたしましょうということで作成したもので,今回は一区切りですので,参考のためにおつけしてあります。
 それから3番目は,腫瘍制御学講座内でこういう基準に基づいて実際に研究をいたしますという規則でございます。今日の主な議題は,これからどのようにこれからES細胞を使う研究を倫理審査委員会としてモニタリングしていくかということでございますので,資料の1から3までを用意いたしました。
 それから,資料の4は,4の1,2,3とありますけれども,これは実際にこれからモニタリングをしていく上でどのような書式に基づいてモニタリングをしていくかということでありまして,単なるたたき台でございますけれども,事務担当さんの方で作っていただいたので,参考のためにこれをお出ししているということであります。
 それから資料の5は,全体の流れをオーバービューするようなことがあったら理解しやすいかと思ってつけてあります。御承知のように,今の段階はちょうど文部科学大臣の承認を受けまして,研究が始まろうとしているとこであります。
 資料5までおそろいですよね。
 それでは,実際の審議に入りたいと思います。
 御承知のように,9月に文部科学大臣から正式にこの研究計画は承認を受けまして,現在は京大の中辻先生から細胞を導入するという手続が進んでおります。まだ実際に入ってくる日は決まってないようですけれども,11月中には細胞が入って,現実に動き出すのではないかというふうに考えられます。
 それから,10月18日に記者発表がございました。津島の方に出かけまして,定例の記者発表の場で申請者A先生,申請者B先生が出席され,私も倫理的な問題で何か質問があったときに備えて出席をいたしまして発表いたしました。
 倫理的な側面からは,簡単な説明を私の方からいたしましたけれども,特に問題になるような質問はございませんでした。中身は,かなり興味を引いたようでして,公式な発表の後に個別に申請者A先生と申請者B先生はかなり詳しい取材を受けておりまして,ごらんになった方もいらっしゃると思いますけれども,山陽新聞には翌日の三面記事の欄のトップに出ていましたし,朝日新聞にも小さな記事ですけれども出ておりまして,そういう研究がスタートするという点で社会において認知されたということであります。
 皆さんのおかげで正式に承認されまして一区切りです。これからモニタリングという仕事が始まるわけですけれども,これまでさまざまな角度から審議をしてまいりまして,それも含めて少し御感想といいますか,今の段階でのお考えというか,そのあたりのことを少し伺えたらと思うんですけれども,いかがでしょうか。
 F先生あたりから,ぐるっと感想を。
F: いや,特にこれという感想はないんですが,ゼロからというか一からというか,国の基準はあったものの,実際には内部での基準づくり等々ですね,手探りの状態で始まったものがようやく実を結びつつあるという状況に安堵しています。私自身も大変勉強になりました。
A : ありがとうございました。例えば審議の進め方も含めて,もう少しこういう運用をした方がいいんじゃないかとか,そういうことがあったらまた是非率直におっしゃっていただければと思いますけど,G先生いかがでしょうか。
G: 最初ですから,かなり時間をとったと思いますけれども,やはりもう少しスピーディーに今後やっていきたい。私がこれを申請する側からすると,こんなもたもたされる委員会は嫌です。もう少しスピーディーにやっていただかないと,ES細胞を利用した研究の進展は世界で非常に速く進んでますので,スピーディーに効率よく今後検討していくかという方法を考えていきたいと思いますが。
A : ありがとうございました。E先生,どうでしょう。
E: 一応,一段落ということでほっとしています。
A : C先生。
C: 一応ここまで来たわけですが,これからモニタリングというのも非常に重要になるのではないかと考えております。
 それから,初めてのことですので,やはりかなり時間をとりましたが,G先生がおっしゃられるように,やはりスピーディーな対応というのを今後検討していく必要があろうかと思います。
A : ありがとうございました。お願いします,B先生。
B: 機関内の倫理審査委員会の委員として,研究者だけではなく,一般の方の存在が非常に重要だということを実感しました。研究を進めていく上で考えなければいけない非常に重要なポイントというのを随時指摘していただいて,特にこういう研究では非常に重要なことではないかなということを実感しました。
 承認がおりたんですが,これからが大事なのではないかと,きちっと研究が進められるということをこれからどんなふうにモニタリングしていくかというのがまた非常に重要な問題じゃないかなというふうに思っております。
A : ありがとうございました。D先生。
D: ほっとしてますけども,本当今後モニタリングが大変でしょうし,もっとたくさんの研究の申請が出てくると期待しますし,恐らくそうなるだろうと思います。そうなってくると,この倫理審査委員会の仕事は充実することになりますが,非常に大変じゃないかなとも思います。そう考えますと,うまくスピーディーに審議すること,それとコモンセンスを十分に反映するという内容を今後申請される研究者にもうまく伝わっておかなくちゃいけない,つまりこの例を通して伝えなくちゃいけない,そうしたような責務を感じております。
A : ありがとうございました。K先生は途中からの御出席ですけれども,何か。
K: 特にはありません。
A : これから先よろしくお願いいたします。
 どうもありがとうございました。今,御指摘がありましたけれども,確かにそのスピードという点では最初の申請が出てからということを考慮いたしますと,少し長過ぎるなという印象を私も持っております。
 ただ,実際このヒトのESを扱う問題というのは,社会的関心も非常に高い問題でありますし,それから文科省の専門委員会で承認を受ける必要があるということもございます。私は最初委員長を仰せつかったときに,これはかなり慎重に審議をしないと後々になっていろんな問題が生じるのではないかというふうに思いました。それと同時に,このES細胞を使用する研究をどのように扱えばいいのかということが私自身の中に余り自信のあるような価値基準がなかったんですね。だから,皆さんの御意見を慎重にお伺いしながら,それをいろいろ考える,そういう時間がどうも自分自身に必要だったと思います。そのために少し長くなったとすれば申しわけないのですが。ただそのおかげで,専門委員会に出かけていろんな議論をいたしまして,既に十分な議論を我々の中でしておりますし,議論の詳細をすべて公開しているということで,何といいますか,こちらにもそれなりの主張ができる基盤があるという気持ちを持つことができました。それから先日の記者発表では,特に意見がなかったんですけども,少々意見があっても,もう既に大抵は議論をした中で対応できるという基本的な考えで臨むことができましたので,少なくとも表面的に見れば少し長過ぎるようですけれども,それなりに意味はあったのではないかというふうに私自身は思っております。これからはこれまでの積み重ねがございますので,もう少しいろんなことをスピーディーに対応できるだろうと思いますし,それを意識しながらやっていきたいと,思っております。
 それでは,今日の主な議題であります,これからどのようにモニタリングしていくかということについて御意見をお伺いしたいと思います。
 主に資料4を使うことになりますが,一番最初に「研究実施報告書」というのがございます。それから,2番目が「ヒトES細胞使用記録簿」,3番目が「ヒトES細胞専用実験室入退室記録簿」ということであります。
 既に審査の途中でどのぐらいの頻度で報告書を出してもらうか,どの程度の詳しいものを出してもらうかということを少しは議論をいたしました。そのときに,半年に1回ぐらいは必要であろうということが出ておりましたので,この1番目の報告書というのは,半年に1回出してもらう報告書の,例えば基本的なフォーマットです。中の枠の大きさはこれで固定するというわけでもございませんけれども,そういう意味を含めたもので,これは正式なものであります。
 それから,2番目と3番目は,これは細かいところは先方にお任せしてもいいんですけれども,記録すべき内容が不十分だったりするということもあり得ますので,例えばこちらからこういう記録簿を作ってみたらどうかというプロポーザルとして考えてみたものであります。
 どちらから先に議論をいたしましょうか。まず,その報告書からいきましょうかね。この報告書をごらんになっていかがでしょうか,研究課題名がまずあって,日付と,あとは前回までの報告の概要というのがあって,現在の研究,現在といいますか,この期間ですね,半年なら半年の期間の研究の進展状況,そこまで出していただいて,それに基づいて審議をいたしまして,本委員会として意見をそこに記入して保存するということになると思いますけれども,いかがでしょうか。どうぞ。
D: 今後において,複数の研究計画が出ることも考えますと,課題名だけじゃなくて,研究代表者名が必要だと思います。それと,報告を行った方の署名なり捺印の部分が必要だと思います。
A : ありがとうございます。そうですね,それは必要ですね。では,それは加えることにいたしましょう。
 ほかにございますか。どうぞ,G先生。
G: フォーマットですけど,こういうフォーマットを作ると非常に書きにくいんですね。私自身の好みとすれば,この四角の枠なんか外して研究課題,報告年月日,前回までの報告の概要と,こうして左いっぱい書けるわけですね。四角を作って升を作る必要はないんじゃないかと私は思いますけど。
A : ありがとうございます。事務担当さん,これは何か正式に作られたフォーマットがあるわけじゃないんですよね。
事務担当: ないんです,はい。
A : そういう意味では自由でこちらで決めてよいということですか。正式に規則はないそうなので,自由に決めていいということなんです。
 それで,G先生がおっしゃったのは,実際に私たちも書く方からするとそうなんですね。 今はワードのフォーマットにすると大抵そのまま自由に伸ばしたりして書くことはできるんですけど,それでもバージョンが合わなかったり,ずれたりということが今皆さん科研費を書いてるときに実際に直面してるでしょうけれども,どうでしょうか,ほかの先生方。
G: こういう書き方の方がね。
A : 自由でありますよね。
G: 書きやすいんですよ,非常に。これを入れておくと難しいんです。
A : 確かにね。
G: それと,ここが左側,これだけスペースがあくし,これが増えれば増えるほど左のあいたスペースが惜しいことになります。こういうふうに書けば問題ないじゃないですか,こういうふうにすると非常にやりやすいですよ。とにかく素人でも,誰でも簡単に書けるような書式にしていただきたいな。
A : なるほど。その点についてほかに御意見ございますか。どうぞ。
D: この報告書というのは,倫理審査委員会のホームページなどに最終的には公表されるようなものになるんでしょうか。
A : 研究の進捗状況については,随時公開するということが議論されておりまして,この委員会でもそうしましょうということになっておりますので,何らかの形で公開する必要があると思いますけれども,この研究の進捗状況の細かいことを書くと,研究内容の詳細を明らかにしてしまうことになりますので,恐らくこれをそのまま出すんではなくて,ここから抽出して出す形になるのが普通かなというふうに思ってるんです。
D: はい。そうなりますと,今G先生のおっしゃられたことも含めて考えていきますと,HTML化しやすいフォームの部分を要旨として書いてもらって,それはG先生が言われた形のものとか,何らかもっとシンプルな形のがいいんだと思います。
 その一方で,こうしたA4,1枚なりA4,2枚になるかもしれませんけども,どうなんでしょうかね,ワード形式を使用するとすると,書きやすいという部分ではG先生のご意見に同意しますが,全く部外の方々に見ていただくというとこになったときには,逆に枠があった方がいいんじゃないかなと思います。報告する方としてはしんどいんですけども,それでもよく理解していただくための工夫をしたいと思うんです。
 ただ,この報告書の大部分がそのまま公開されるんですというふうに言われますと,逆にこれをHTML化するのは枠がつくとちょっと不細工な部分もあったりしますので,枠がない方が楽だと思います。
A : はい。
G: やはり書類を非常に簡単化するということは非常に事務的に大切なことだと私は思います。だから,こういう書き方で,例えばここをブロックにするとかアンダーラインかけるとか,そうすれば何もこんな枠がなくたって結構読めますよ。あるいは字の大きさをちょっと変えてやるとか。それから,これをテキストで書いておけば,こういう枠の中にすぐほうり込めるわけですよ。いったんこういうふうにやってしまうと,今度はもとへ返すときに非常に難しい。だから,メモとしてはこういう書き方の方を私は勧めますね。私の大学ではそういうふうに指導しております。
A : ありがとうございました。最終的には,この報告書は文科省に提出するわけでしょう。
事務担当: いえ,これは文科省ではなくて,学内,研究科長なんです。
A : ああ,そうなんですか。そしたら,書式に関してはこちらで決めて自由ということですね。
事務担当: はい。
A : いかがですか,ほかに御意見ございます。
 確かに,後で変換しやすいというか,どうにでもなるという基本的なベースを作っていただくという意味では,今のG先生がおっしゃったような形式が一番やりやすいかとは思いますけれども,御意見ございますか。
 よろしいですか。
 それでは,書式に関しましては,D先生の御意見もありますし,どういう項目があるのか,つまり研究課題名,報告年月日とか,あるいはこれまでの概要とかということができるだけ分かりやすい形で,何というかフォントとかサイズを選んでもらうということを前提に枠を外してべたで書いていただくと,そういうことでやってみることにしたいと思いますけれども,よろしいですか。
 では,そのフォーマットについてはそういうことにいたします。
 次に,実際の内容ですけれども,先ほどこの中にも,例えば研究代表者名とか署名捺印の欄が必要であるということがございましたが,そのほかに項目についてこういうことをもう少し必要なんじゃないかということがございませんでしょうか,それが内容的には一番大事なポイントだと思いますけれども。はい,どうぞ。
F: 報告書の項目として入れるのか,それとも別様式なのかということ,別様式という方法もあると思うんですが,先ほどD先生のお話の文脈の中に出てきたと思いますけど,ホームページ上で公開するという場合に,これは倫理審査委員会としてホームページを立ち上げるんでしょうか,それとも研究者グループとしてホームページを立ち上げるのかと。前者であるならば,つまり倫理審査委員会としてそれを公表しますよということであれば,我々がその研究の進捗状況のエッセンスを抽出して,知的財産権を侵害しない程度に公開する内容を決定するというのは,これは大変な労力といいますか,下手をするとその研究者グループに迷惑をかけるようなこともあり得るので,まず公開する場合の責任主体はどっちなのかということが問題になります。それから倫理審査委員会であるんであれば,ホームページに載せる情報についても研究者グループから提出をしていただくと,それはこの報告書の中に盛り込むのか,あるいは別様式にするのかということになる。そのあたりをちょっと議論する必要があると思います。
A : ありがとうございます。確かにそこは非常に重要なポイントでありまして,審査の過程でも議論が少しありましたよね。結局,結論が出ないまま詳細はもうちょっと後でというようなことで終わったような気がしますけれど,今のお話を伺って,私自身は少なくとも倫理審査委員会として研究の進捗状況を発表するということは責任上,必要なことだと思うんですね。つまり,研究の進捗状況をモニタリングしますと言っておいて,それは研究者の発表をごらんくださいというのでは,まずいんじゃないかと。だから,倫理審査委員会としては,こういうふうに研究の進捗状況を把握していて,詳細までは発表してないけれどもこういうことですよということを世の中に言って,そして倫理審査委員会としてはその進み方,その進め方に特に問題がないとか,あるいはこういう問題があったので指摘いたしましたとか,そういう形で発表が必要なんじゃないか。一方で,研究の側はその内容をどのように発表するかは研究者の自由ですから,それはまた向こうで同じようなものを発表してもいいし,もうちょっと色をつけて発表しても,それはもう向こうにお任せするという形が妥当なんじゃないかと思ってるんですけどね。
E: 今の点ですけども,この報告書に現在の研究の進展状況を書いていただいて,さらに,ホームページ上に載せる文章も別にその下に欄を作って書いていただいて,「上に同じ」と書いてもらってもいいですね。そうしとけば,余り詳しく書き過ぎて迷惑かけることもなくなりますね。
A : そうですね。
E: それから,この委員会の意見というのは必要でしょうか。これは向こうからの報告書ですよね,それに対してこちらの意見を書いてどこかに誰かに見せるということでもないわけですね。どうでしょうか。
A : 今のことに関しましては,一応これは研究科長に報告をするということで,倫理審査委員会が現在の研究の進捗状況を把握した上で,それをどのようにとらえているのか,これは問題があると思っているのか,あるいは一応今のところ問題なく進んでいるとか,やっぱりそういう意見はそこに書いとく方が報告書としてはいいんじゃないかというふうに思いますけど。
E: 分かりました。これ,誰に対する,誰からの報告書かということを考えると,その申請者からの報告書です。これはこの委員会から研究科長への報告書じゃなくて,だったら2つの書類を一緒に1枚に入れてるみたいになりますね。
A : 分かりました。全くそのとおりで,これは結局最終的な研究科長に上げる報告書でありまして,そのうちの上段の現在の研究の進捗状況までを研究者に埋めてもらって,その内容を審査して,倫理審査委員会はここに意見を入れて出すということを私は先ほど申し上げたんですけど,それはまさに先生が今おっしゃった問題点です。研究グループに対して報告書を上げてくださいというときの項目はこの上まででいいと思うんですね。それにここの委員会の意見を,コメントをつけ加えて評価をつけ加えて,そして最終的に研究科長に提出するということでどうでしょう。
E: 分かりました。別な書類にした方がいいと。
A : そうですね。分かりました。
 それから,先ほど私は倫理審査委員会として基本的に研究の進捗状況をホームページ等で発表する義務があるだろうと言いましたけれども,それはそれでよろしいでしょうか。もしそういうことであれば,その上に立って,先ほどE先生が言われた研究者の側からは詳細な研究報告書,実質ですね,詳細なことを記載した研究報告書と,それからホームページに出してもよろしいという内容の二通りを作ってもらって,こちらへ上げてもらうと。倫理審査委員会としては,もちろんその内容も,つまり詳細なものと,それからホームページ用のものを比較検討して,ホームページに発表する内容がそれで妥当なのかどうか,もうちょっと削った方がいいとか,あるいはもうちょっと細かいことを書かなければ分からないというような言い方も,そういうコメントすることも可能だと思ってるんですけれども,その点に関して御意見ございます。どうぞ,G先生。
G: 私は,やはりA先生が言われたように,この研究に対してこの倫理審査委員会でこの研究が今まで倫理審査委員会のこの中で議論された線に沿っているかどうかを審査すればいいと思います。
 それからもう一つですね。この研究の報告の内容について,今までの進展状況がありますけれども,やはりその過程での問題点,それから,今後の方針なども書き加えてもらいたい。それをみればこの倫理審査委員会の中で我々が討議した線に沿って研究が将来進展しているかどうかを判定できる。まとめると,研究の進展状況,それまでの問題点,今後の方針というのがあってもいいんじゃないかと,私は思います。
A : ありがとうございます。そうすると,現在の研究の進展状況の枠の中に,これ期間ごとに出しますので,この期間に課せられた課題,問題点というのが1番で,2番が研究の成果,それから3番が今後の方針と,そういうように中を分けたらよろしいですか。
G: 研究の進展と,その過程での問題点と。
E: 今後の展望かな,方針というより展望。
G: 研究の進展の概要,それから問題点,今後の方針,そういうふうに。
A : 問題点というのは,この期間に課せられた課題とか問題じゃなくて,この期間の研究から考えられた,派生された次の期間の課題ですね,なるほど。
G: 研究のプロジェクトが出ているわけですから,まず研究の進展概要を書いていただいて,そしてその研究の問題点,順調にいってもいいし,悪くいっていてもいいんですけど,今後の方針とか課題というのを書き加えていただければと思います。
A : 分かりました。そうすると,これはよろしいですか。つまり,親項目として当該期間の研究の進展状況というのがあって,そしてその中に,1,成果,2,問題点,3,今後の方針,それでよろしいですか。
G: ええ,それでよろしいと思います。
A : 分かりました。はい,どうぞ。
D: この報告書というのは,要は最初に申請された内容からどのようにそれを遵守されてるかということと,それから逸脱があるかどうかを審査する形になると思いますので,倫理審査委員会の意見の中には,そうしたことを判断する項目が入らなくちゃいけないと思います。逆に,研究実施をされる方々の方からは逸脱があったかどうか,自己申告される部分もないとまずいんじゃないでしょうか。それが研究そのものに対するコントロールになると思います。
 もう一点は,非常に倫理的な問題となると思いますが,このような研究というのは必ず知的財産権を伴う部分が多いわけですね。そうなりますと,コンフリクトというんですか,コンフリクト・オブ・インタレストという部分が出てくると思うんですね。それを私たちが見るのか,それとも論文投稿された雑誌社の方が,雑誌なり委員会が見るのか,その辺ちょっと分からない部分があるんですが,それは研究そのものよりもその研究が持っている社会的な意味となってくると思います。ただし,これもあいまいにしておきますと結構大きい社会問題につながると思うんですね。この間,大阪大であったような問題点になるんじゃないかと思いますので,そちらも検討をお願いいたしたいと思います。
A : ちょっとまだ私自身がよく理解できてないんですが,先生の想定されてるコンフリクト・オブ・インタレストというのは,もうちょっと具体的に言うとどういうことを指してるんですか。
D: うまく想定できてない部分が大分ありますが……。
A : そこを具体的にしていただかないと,倫理審査委員会が関与すべき問題なのか,関与しなくてもいいような問題なのかということがちょっと考えにくいのでね,それでお伺いしてるんです。
D: それで,京都大学と岡山大学の間ではほとんど問題ないと思うんですけども,ただ岡山大学がジェロン社でしたっけ,そちらの方と共同の部分を持たれたりしてますよね,そうしたところで,言葉が悪いかもしれません,ミスコンダクトにつながるようなことがあったりしたりとかしたときに難しくなるなと思うんです。ただし,それはほとんどないとは思いますよ。ただし,その可能性も想定しておかなくてはいけないと思います。
A : はい,どうぞ。
E: 今のCOIと言いますね。これはアメリカでは随分前から問題になってましたが,最近日本に入ってきて大問題にしようというか,なりそうというか,これは申請者A先生のこの研究だけの問題ではなく,研究全般に妥当するというか,問題とされるようになると思いますね。特に今回の研究はES細胞を使ってるので神経を使う必要があると,D先生がおっしゃるように,私も思います。
A : 今E先生おっしゃったように,そういう問題がもし起こると,起こり方によるし,その問題の質にもかかわると思うんですけれども,やはりヒトのES細胞を使うという基本的に,ある種の礼意を持って取り扱うとか,社会的な問題を起こさないということが前提でこういう細胞を使って研究を行うということがあるので,その研究の成果に関して余り変な社会問題が起こるということは望ましくないと,そういう範囲では本委員会,倫理審査委員会がある種関与して意見を述べるということは可能かもしれないとは思います。ただ,実際に今世の中で何か,特許の権利の問題が起きたときというのは,多くの場合は水かけ論で,それこそ弁理士や弁護士がかかわって意見を闘わせてみないと黒白がはっきりしないというようなことが多いんじゃないかと思うんですね,そこまで行ったとしてですよ。そうすると,必ずしも問題が起きること自体がだめだという言い方をすると,これは権利の放棄のようなもので,必ずしもその必要はないんじゃないかと思います。だから,問題の性質が客観的に見てどちらでもあり得るな,どちらの主張も分かりますというぐらいであれば,必ずしもそれは倫理問題とは言えないんではないかと思うんですけどね。だから,程度問題で,そのことを今からかなり細かく云々というのは非常に難しい。先生もおっしゃってるように,想定するのが困難だということですので,私としてはそういうことも我々としては意識をしておいて,余り程度が過ぎるような行動は慎んでもらいたいというふうには意識はしておるけれども,特に現在の段階でそのことを細かくコメントするということは必要ないんじゃないかとも思うんですけど,いかがですかね。ほかの先生方,何か。はい,どうぞ。
G: 今この実施報告書の内容について議論してるだけで,ちょっと脱線し過ぎとんじゃないと思いますけど,どんなですか。
E: いいでしょうか。コンフリクト・オブ・インタレストですね,COI。この問題は重要ですが,とりあえずは申請者A先生に,「ジェロン社との間で問題が起きる可能性はある。そこはきちんとしておいてください」ということを委員長から申し上げると。とりあえずG先生がおっしゃったようにこちらに戻るとして,確認ですが,先ほど私言いましたように,2種類の報告書にまず分けないといけないと思うんですね。資料4の1として出してもらってるのは,これは申請者A先生の方からこの委員会への報告書ですね。
A : そうです。
E: それが1枚で,審査委員会の意見などは,この委員会から研究科長への報告書に記入し,申請者A先生のものもつけて出す,2枚に分けてですね。そうした方がいいでしょうね。
A : はい,ありがとうございます。先ほどG先生からも御指摘いただきましたけれども,そのようにしたいと思います。どうぞ。
D: ですから,そのCOIとやらは申請者A先生からこちらの方に報告される際に,それに関連するものがあったら必ず書いていただかなくちゃいけないと思うんです。そうした小項目として中に入れておくのか,もしくはそうしたものが必要ですよというようなことを書いておくか,何か必要だと思うんです。
E: いいですか。本来,ヘルシンキ宣言にもCOIを明記せよとあるんですが,日本ではそれをやってきていない。
A : ありがとうございます。そうしますと,結局基本的な項目はこれからまた追加の議論があればあれなんですけども,基本的な項目を立てる以外に記入要領といいますか,例えば先ほどの現在の研究の進捗状況,進展状況全体の中にルールから逸脱してるか逸脱してないかということを自分たちで判断した項目を書いてくださいとか,あるいは今のCOIというものがもしあれば,ないようにしてもらいたいけれども,もしあればそのことについても記載してもらいたいとか,そういうことを記入要領としてつけ加えるという形にして研究者にお渡しするということでいかがでしょうかね。
D: はい,満足です。
A : その記入要領に関しましては,今ここですぐには用意できませんので,今日の議論を踏まえて,また整理をいたしまして,原案をプロポーズしたいと思います,後日。したがって,例えばこの項目についての記入要領についてはこういう注意事項を入れていただきたいというようなことがあれば今お伺いしたいと思いますけれども。はい,どうぞ。
G: だから,さっきこの研究の進展状況,成果とか問題点,今後の検討,将来の問題点,その他としておけばいいんじゃないですか。その他で。その他については,この倫理審査委員会に関係ある事項について書いてもらえばいい。ジェロンと申請者A先生の関係は,この倫理審査委員会に関係のないことだと思いますけれども。
A : どうぞ,E先生。
E: 基本的に契約がうまくいって,何事も起こらなければ倫理審査委員会の問題でもないとも言えるかもしれませんけど,何かあるとやはりそういう警告もこちらがしていなかったとなれば,私は問題かなという気もしますけど。アメリカではそういうケースがすごくいっぱいあるんですね。特に,細かく言いますと,ある研究をしたとしてその成果に対する報酬は大学に入るのか個人に入るのか。数億円,数十億円のお金が個人に入るか組織に入るかでいろんな訴訟が起きてるわけですが,日本では余り起きそうにない。大阪大で多少,あそこは特殊かもしれませんが,問題が起きていました。ここで起きそうな感じは私は個人的にはしないんですが,用心のために申請者である申請者A先生に気をつけてくださいということは言っておくと。G先生がおっしゃったように,その他の中で何かありそうならば書いていただくということを口頭で委員長から申し上げるというのでもいいかもしれません。
A : 分かりました。このことについては皆さんも御記憶のことだと思いますけれども,審査の過程でかなり問題になって時間を費やしていろいろ議論をして,その結論といたしましては,詳細な契約関係に立ち入るのは倫理審査委員会としてはちょっと手に余るといいますか,そこまでやる必要はないだろうという結論になったと思います。したがって,その部分はお任せするわけですけれども,要するに倫理審査委員会としては,細かい権利関係に立ち入ることはできませんが,まあ何といいますか,常識的に見て,こちらの側が一方的に問題であるというような行動をすれば,それは倫理的に見て問題があると判断せざるを得ないわけでありまして,そこの線を今から引いておくということはできないので,基本的にはそういう考え方でやっていきますよということで,もし万が一現実に何か起こったときには,ここでその内容を討議をして,倫理審査委員会が対応すべき問題であるかどうかというのを判断すればいいというふうに思いますけれども,よろしいですか。
 それでは,その問題は一応そういうことで,先ほどG先生が言われたように,項目を4つにして,それでもいずれにしても項目にそういうことに留意して記述してくださいということを要請するということですけれど,そのほかに項目に関しましてよろしいでしょうか,つけ加えるようなことはございますでしょうか。はい,どうぞ。
K: 実験計画の項目というのは,特には要らないんでしょうか。こういうことを計画して,この報告書ではこの点について検討して,こういう結果が得られたというのが普通じゃないかと思うんですけど。
G: それは申請書の段階で出ているのではないですか,詳しく。
K: ああ,そうですか。
A : 申請書に,もちろんどういう研究を行うという,何ていいますか,科研費レベルの記述はあるんですね。先生のおっしゃるのは,例えばこの報告書を半年単位で出すといたしますと,半年間の研究計画を詳細に書くということだと思うんですけど,そこまでの必要があるかどうか。何ていいますか,倫理審査委員会は基本的に倫理的な問題をモニタリングするということでして,研究者の負担を過大にするというのはできれば避けたいという面もあります。だから実際に研究の内容の結果が書かれていればどういう計画でどういうことをやられたかということは分かりますので,そこまで要求するのは負担を増すだけかなという気もいたしますけど,どうでしょうかね。
G: すでに,申請書が出てるわけですから,そちらに向かっているわけですから,私はこれでいいと思いますけど。むしろ,今どういうふうに進んでいるか,それがやはりこの倫理審査委員会の中の決められたルールの中でやられてるかどうかということを,我々は審査すればいいんではないかと思いますが。
A : ほかに御意見ございますか。よろしいですか。K先生。
K: はい,結構です。
A : B先生,何か御意見。
 よろしいですか。
 それでは,そのほかに,じゃあ全体の項目について何かおありでしょうか。
 もしなければ,まず書式の基本的な構造を平たいものに変える,枠を取るということですね。それから,研究者が出す報告書と倫理審査委員会がそれにつけ加える報告書を別にして,研究者が出す報告書も詳細なものと,それからホームページ用にそれも書いていただくと。それから,基本的な項目については,ここに上げてあるとおりで,それにつけ加えるのは研究代表者名,署名捺印の項目なんですけれども,現在の研究の進捗状況につきましては,4つにさらに項目分けをして記載していただくと,それに加えて倫理審査委員会がその記入要領を提案して,それも順当に守っていただくということだと思いますけれど,それでよろしいでしょうか。
 では,報告書に関しましてはそういうふうにして,半年間に1回でよろしいですか。
 それでは,半年に1回ということで,それでいきたいと思います。
 次に,日々の使用記録なんですけれども,まず最初に4の3の方から見ていただきますと,これが一番ベースになる実験室,これは基本的にかぎがかかるということになっておりまして,そのかぎは使用責任者が管理をするということになっておりますけれども,年月日があって入室時刻,退室時刻,誰が入室したのかということと使用確認した人がチェックをするということになっておりますけれども,これについていかがでしょうか。はい。
D: 今資料3の方にはいるんですけども,資料2と比較していきますと年月日,時刻の開始,終了,入室時刻,退室時刻,それから使用者氏名と入室した氏名で大分重複するんですよね。私がもし使うとしたら,これ大変だなと思って書いてしまうんで,結局違うとこといったら,4の3でいきますと施錠確認者とあと使用責任者の確認印だけですね。ですので,どっちみち4の2の方の細胞使用記録簿の方を責任者の確認印が必要かもしれないと思ったら書くところが変わらないんで,4の2と3を一緒にするというのは一つ案として出ると思います。ただ,4の2のペースでいきますと,毎日1枚,1枚,入室するたびに1枚,1枚いきますけども,4の3でしたら,これだけあると1週間はうまくいくかもしれないようなことがあったりしますよね。その辺のとこでちょっと困ったなと思ってます。ただ,いざ利用するとなったら,どうして何回も書くのという意見が出てくるんじゃないでしょうか。
A : 分かりました。どうもありがとうございます。
 まず,これ事務担当さんに原案を作ってもらったのですが,何か意図がありますか。
事務担当: 資料3の方を見ていただいたら,これ資料3の方は腫瘍制御学講座が作成してる使用規則の中に,2の「研究施設の中に入退室はすべて記録し,保存する」。それから,3のES細胞の管理のところで,「ES細胞使用記録を作成する」とあったもんですから,それに従って2枚に分けて作りました。要はこれは研究者,使用責任者の側から出していただく自主的に決めていただいく書類ということですので,そのひな形といいますか,参考までにこういった形になるのではないかと思って作ったものです。
A : 分かりました。ありがとうございます。これをどういう格好にしたらいいのかということなんですが,資料2と3を一緒に議論すればいいと思うんですけども,この2というのは,実際にES細胞がどのように扱われてるかということを2の記録を必ず残せばすべてモニタリングできる,そういうような記録なんです。
 これ書くのは結構大変ではあるんですが,まず少なくともこのぐらいのことは必要であるというふうに考えるか,あるいはここまでのことは必要なくて,3日まとめていいんじゃないのという話になるか,そのあたりはいかがですかね。はい,どうぞE先生。
E: この腫瘍制御学講座でというのは,申請者A先生のとこだけなんでしょうか。
A : そうです。
E: ここだけと考えてよろしいですか。
A : そうです。
E: とすると,内部のものですね,このヒトES細胞使用規則。「入退室はすべて記録し,保存する」と。申請者A先生がご自分のために記録されて保存されるということと,この委員会に提出するかどうか,何か問題があったときは提出してもらうかもしれないので保存しておいてもらうというのも,ちょっと違う問題。
A : この資料2と3というのは,本当言えば,本当言えばというとおかしいんですけど,ここで作る必要はないんですよね。本当は申請者A先生が作っていただければいいんです。その原案をこっちに出して,倫理審査委員会としてはそういう記録の形態でいいんじゃないですかとか,あるいはこういうところもつけ加えてといた方がいいですよというような言えばいいということだと思います。
 ただ,事務担当さんに原案を作ってもらったのは,申請者A先生のところが今ばたばた忙しくてなかなかそれが出てこないので,こういう作業になれている事務担当さんが作ってくださったということであって,別にこれは倫理審査委員会が定める必要はなく,コメントだけ言えばいいということなんですけど。
E: 分かりました。考え方として,これは倫理審査委員会としてこういうものを要求するというのでないか,どうなのかということをまず確認して,そうでないのであれば参考までにこのようなものを差し上げますというのみですね。それほど……。
A : 倫理審査委員会としては,少なくともミニマムにこういうことはちゃんとやってくださいよということは言わなくちゃいけないと,それにプラス,加えて申請者A先生のところがもっと詳しい記録を作りますよということについては,それは結構なことだというふうに考えますけど。
E: ということは,この記録簿等も提出していただくということになるわけですか。
A : これも,皆さんに議論していただければいいんですが,僕の感覚ではこれは毎回提出していただく必要はないのではないか。しかし,少なくともそれは申請者A先生のところできちんと保存してもらって,必要な調査,例えばこの委員会なり,あるいはもっと深刻な事態になって文科省が調査したいということにでもなれば,それはちゃんと調査ができる形には保存してもらうということだと思ってますけれど。
E: 済みません,何度も。もっと深刻な事態というのがどんな事態なのか,例えば記入を忘れていたり,記録簿がなかったりしてどうなるのか,コンタミネーションを想定するとか。
A : コンタミネーションが起こるというのは,先生はどういうコンタミネーションを考えているんですか。
E: それは,例えば……。
A : バクテリアのコンタミネーションだったら,それは現実にはある頻度で起こることでしてやむを得ないわけですよ。ただ,ある特定の研究室だけで取り扱うはずのものがどっか別なインキュベーターから見つかったとか,あるいはそこから細胞が流出して,どっかほかの研究部がヒトES細胞を扱ってたとか,それは非常に深刻な問題でしょ,最初の約束を全部破ってるわけですから。そういうことが起これば,当然その使用記録がどうなってるかということを調査しなくてはいけない,だから記録はちゃんと残ってなくてはいけないということで記録を残していただくということだと思いますけど。
E: ということは,一応きちんと提出,半年に一度でも提出していただくという,もしそうならば……。
G: 問題があったときだけ出してもらえばいいんじゃないんですか,問題があったときだけ。
A : 基本的には,保管は向こうで保管していただく。問題があったときに提出していただくなり,こちらが出かけていって調べるなりということが可能なように保管をしといてくださいということだと思いますけれど。
G: 私はやはりこれちゃんと教室で保存しておいていただく必要があると思います。問題が起こったときですね。例えばあるところでクローン人間ができたとかということがおこったとき,どこからその細胞が行ったのか問題になりますよ。あるいは非常にすばらしい実験結果が出たけど,どこも追試ができない。だから,やはりこの記録簿は,私はこの内容でいいと思います。使用目的も広いスペースがあるけれども,簡単に液変えだけやったなら液変えだけでもいいし。だけど,やはり日々の記録は残して教室へ残すべきだと私は思います,この形式で私はいいと思いますけれども。
A : ありがとうございます。ほかの先生方,いかがでしょうかね。
 先ほどD先生が言われたオーバーラップしてるのではないかということは確かにあるんですけれども,現実に使うということを考えますと,恐らくはこの4の3というのは,研究室の扉の前に張っとくなり置いといて,入退室ごとに記録をするということになるし,4の2というのは,帰ってきて机の上で書くということになるんじゃないか。それから,例えば2人なり3人が時間をずれて区画の中に入って一つの実験を共同して行うというようなときには,恐らくこの使用記録簿は1枚ということになると思うんですけど,個々人というのはこの中にいろいろ入るということで,かえって両方ある方が使い勝手がいいような気もしますよね。あるいは使用時刻というのをここから取っちゃってもいいですかね,4の2から。取りましょうかね,これは。
D: A先生が言われるような使い方もあるなと思いましたので,じゃ2の方を簡単にして時刻を取れば,先生の言われる分になると思います。
E: これいいですか,これ。
A : はい。
E: これは使用目的,単に研究だけと書いたりいろんな書き方があると思うんですが,目的は大体最初からあるわけでしょ,研究のメインの目的が。その中でどれくらい細かいところまで一つ一つに分けて書くかですね。1週間単位ぐらいなのか,1カ月単位ぐらいなのか,毎日それぞれ細かく書けばそれぞれあるし,ある程度こっちからそのあたりを申請者A先生の方に言っておく必要があるんじゃないでしょうか。
G: やはりこれは一回一回の実験のあれですから,やはりその研究者がやる範囲において,任せたらいいんじゃないでしょうかね。書けると思いますけど,細胞を扱う,あるいは何か実験をやる。
E: 毎日ですか。
G: ええ,これは実験をやるんですから,実験簿を書くと一緒ですよ。だから,それを簡単に書くだけですから,こんくらいのことは書けると思いますよ。
E: だったら,この3とかなりダブってきます。
G: いや,3の方は名前を書けばいいわけですから。
A : そうです,そうです。3は,それこそそういう問題ですよ,誰が入って誰が出たかだけで。
G: やはりES細胞を非常に厳しく審査したのですから,やはりここはこういう記録が私はあってもいいと思いますけど。
A : よろしいですかね。実際に実験をやってる方からいいますと,ES細胞からヒトの肝臓の機能を持った細胞を作るんだというのが非常に大きな目的ですけれども,実際にはその目的に対しては,実験が細分化されて行われるわけですね。一つの実験は,例えば細胞の播種密度と分化の能率の関係とか,あるいは特定のグロスファクターの濃度に依存してどのぐらいの分化細胞が出てくるのかとか,そういうのが使用目的なんです。実験内容は,今日はいろんな密度で細胞をまきました。結果としてディッシュが20枚ありますというような,そういう形になるんじゃないかと。
何かほかに御意見ございますか。はい,どうぞ。
K: この資料4の2は,1日では実験は恐らく終わらないと思いますんで,年月日のところはある程度の期間にした方がよろしいんじゃないかという気はするんですけども。
A : その点はいかがでしょうかね。常識的には,私はこれを見てやっぱりこの方がいいかなと思いました。普通の常識からいうと先生のおっしゃるとおりかもしれませんが,ヒトES細胞については,今の瞬間に何枚のディッシュがどういう状態でインキュベーターの中に入ってるかというのが結構大事なんじゃないかと思うんです。つまり細胞全体がどういう状態にあるのか。一応申請者A先生のところの研究計画では凍結保存はしないということになっておりまして,常にラニングしてるんですね。そのときに,記録簿を見たらES細胞のすべてが今何枚のディッシュにどういう状態であるかということを必ず把握できると。それは前の日に20枚あるとすれば,例えば2日後に10枚実験に使って廃棄しましたというようなことが書かれるので,そういうことが分かるかなと思ってるんです。そういうことからすれば,使用目的のところは本当にあるときにきちっと書いてもらえば,何日間は前と同じ,前と同じということでもいい。そういう形かなというふうに理解してるわけですが,その点いかがでしょうか。
G: これでいいと私は思いますけどね。やっぱりその時点でどういうふうにディッシュとかボトルに細胞が幾つかあるかはチェックしておく必要があると思いますけど。
D: 目的は多分何カ月か一緒のものもあるでしょうけども,その部屋に入って細胞を扱った直接の目的というのもありますよね。継代だったりとか細胞の数を減らすために滅失操作があったとか,そうしたようなこともあったりしますので,そうした大きい目的とその日入った目的,2つ書いていただいて,実験内容はもっと詳しく書いていただくということで,A先生の言われました細胞がどのような状態であるか,どういうふうに使用されてるかというのが見えるんじゃないでしょうか。
A : どうぞ,E先生。
E: あと,この文章だけじゃなく,ほかの事務文章のときもすべて共通してるんですが,手書きで書く必要があるのかどうか。よく思うんですが,一々手で書いて判こを押して出すのか,ファイルでひな形を送ってもらって,それに書き込んでパソコン上に保存しておけばいいのか,そのあたりも申請者側としてはその方がはるかに楽でしょうけども。
A : 基本的にはこれは大事な書類ですので,何か頭が古いのかどうか分かりませんけど,コンピューターの中だけで保存してあるというのはちょっとまずいんじゃないかなという気がします。やっぱりコンピューターというのは故障しちゃうこともあるし,なくなることもある。だからコンピューターで作成するにしても,やはりプリントアウトして紙として保存していただくという方がいいんじゃないかと私は思ってるんですけど。D先生,いかがですか。
G: やはり研究者として結構細胞で忙しいじゃないですか。コンピューターでこれ入れるのは非常にめんどうですよ。やっぱり使用目的とか細胞の観察とか,さっと書けるわけですよ。だから,手書きで十分だと私は思いますね。やはりこれを残しておくことが大切なんだと私は思います。
E: 例えば同じ名前で,例えば5人使ったとしますね。1つの箇所に5人書いていいのかどうか,それも問題なんですが,使用目的が同じであればパソコンで作っておけばコピー&ペーストであっという間にできるので,どちらかといえば,恐らくはパソコン……。
G: いや,そうじゃないと私は思います。
E: そうですか。
G: 細胞を扱ったら分かりますよ。
A : それは多分個人差によるんだと思うんですよ。僕自身はちょっと長い文章,5行ぐらいの文章を手書きにするのは嫌ですね,正直言うと。コンピューターでワープロにしないと時間もかかるし,嫌なんです。だから,それは人によるわけで,問題は,先ほど僕が言いましたように,コンピューターを使っても手書きでも,それは何でもいいから,とにかくプリントアウトした紙をちゃんと残すということが大事なんじゃないかな。ただし手書きにするということは,先ほどE先生がコピー&ペーストでできるじゃないかとおっしゃったけれども,本当を言えばやっぱりその精神じゃいけないんで,何でもかんでもコピー&ペーストにしては不正確になるということがあるんで,手書きの方が本気で書くという点を促すという意味はありますよね。だからといって,今の時代にどうしても手書きにしなさいというのはあれですから,いずれにしても紙としてちゃんと残すんだよということを要望するということだと思うんですけど。
G: 話がそれるけど,カルテなんかでもほとんど手で書いてるわけでしょ。コンピューターで書くと非常に時間がかかりますよ。そういう意味で,やはり研究者になるたけ負担をかけないようにしてあげる方がいいと私は思いますけど。
C: 確認したいのですが,この使用記録簿というのは,日単位で書くということにするわけですね。例えば継代と実験と2つを同時に行ったり同時に2つの実験を行ったりとかそういうことがあるかと思うのですが,その際日単位で細胞が全部でディッシュ何枚あるかとかいうようなそういう書き方にするわけですね。目的が2つ,3つあれば,それらをすべてこの紙1枚の中に書くのか,それぞれ別々に書くのか,その辺をはっきりさせておく必要があると思います。
G: 私が書いてみて,この紙1枚あれば十分だと思いますね。やはり紙を統一して枚数も1枚ぐらいにしておく方がいいと思いますね。これで十分ですよ。
A : 実験をやった日,1日1枚ぐらいと。はい。
D: 細胞の状況を把握するためには,やはり1枚じゃないといけないと思います。複数ありますと,ややこしいと思いますので,是非1枚にしていただきたいと思いますね。
 それと,あと記録簿は冊子体として,印刷物として記録することというようなことがどっかに文面であれば,どの形式であっても,A先生がおっしゃられたように,最終的には印刷して使用者氏名など,多分私たちはシャチハタの印鑑を押して,それで代用しちゃうような感じにすると思いますね。なるべく書く時間を短くする。そうしたような研究者の方に応用がききやすい,便利な使い方ができやすいものになると思います。
G: そうなんですよ,サインで良いと思います。
E: これ連名でもいいんですか。
G: 3人その日,無菌室に入ったら,例えばA,B,Cと3人入れば,その使用責任者が一人ここへサインすればいいわけでしょ。
E: ここ一人。使用者の,一人ですか。3人だったら……。
G: こっちへ出る。
A : もちろん,ここ3人でいいんじゃないでしょうか。
G: ああ,そこでもね。
A : はい,どうぞ。
D: 観点が変わるんですけども,この資料4の2,3をつくるときに資料3がもとですというふうに事務担当さんがおっしゃられたから,資料3をもう一度見直してみたら,腫瘍制御学講座という大講座の単位で作られている使用規則なんですよね。研究分野じゃないんで,果たしてこの資料3がずっといきますと腫瘍制御学講座の他の分野の方がやろうと思われたら,またこれに従わなくちゃいけないんですけども,それもよろしいんでしょうか。
A : それはよくないですね。これは腫瘍制御学講座の構成メンバーが皆さん集まって議論したわけじゃないので,これは申請者A先生の研究分野に限定してということをつけてもらった方がいいと思います。
F: それに関連してよろしいですか。この資料3の,今御指摘のあった使用規則は,この資料1の実施指針の4条3項を受けたものという位置づけですよね。「使用責任者の指針及び本実施指針に定められた事項に合致する範囲内で個々の研究室の実情に応じ,詳細な実験実施要項を定め」を受けたものですよね。そうすると,ちょっとまず形式的なことを言うと,用語が統一されてないという問題が1つと,そのことによって今言われたような「講座」というふうに書いてあるけど,これはどうなんだと,この4条3項の方は「研究室の」という表記になってると。だから,そのあたりをちゃんと整理しないといけないということと,それから「詳細な実験実施要項」となっているけれども,資料3の方のはそういう名称にはなってので,そこもちょっと整合性がとれるようにしないといけないと。
 さらに,それは形式的な話なんですが,私が欠席してるときに議論がもしあったのならば申しわけないと思うんですけど,資料3の方は,この委員会の中で承認をしたんでしょうか。この内容について,これでよろしいということにしたんでしょうか。というのが,さっき指摘した資料1の方の4条3項だと,これは委員会が承認しないといけないという手続が必要だと思いますけど。
G: これは一番最初,最後の辺で文科省に出すとき案を練ってやったんじゃないですか。
F: いや,それは提出するのに必要だというので作っただけで,委員会で承認の手続をした記憶がないんですが,私が欠席してたかもしれないんですよね。なおかつ,資料3の講座でというか研究室が出された規則の日付が妙に古くてですね。
G: だから,そのとき出したんですよ。これをやって,ここで審査したんです。
A : これに整合性がないのは,時間的な流れがまさにこうなってるからです。
 もう一度おさらいをいたしますと,最初に研究計画書を提出したときに,文科省からの意見がございまして,中で規則をちゃんと定めていなくてはいけないのではないかという話があったんですね。
F: それは覚えてます。
A : それで,どういう形で規則を定めるのかということをいろいろ各大学に聞いてもらったら,既に承認されてるところでも実は規則がなかったり,規則を定めてあるというところもあったりいろいろでした。京都大学から規則を取り寄せてみたんですけれども,それは非常に簡単な内容でこれほどきちんとしたもんじゃなかったんですね。それで,その時点で,どうしましょうかという話をして,そうしたら申請者A先生の教室に一応中でこういう内規を定めたものがありますのでということでしたので,それを少々文言を修正した上で,それを提出したんですよ。それが,専門委員会まで審査が行きまして,その専門委員会でいろんな議論があった。ごめんなさい,専門委員会の議論の前に,文科省に正式に行って,それでいろいろコメントを伺いました。我々としてはできるだけそのコメントにも誠実に対応いたしましょうという基本的な姿勢で考えたんですけども,やはりもう少しきちっとした規則があった方がいいのではないかというニュアンスがありましたので,改めて委員会を開いてこういう研究実施指針を定めたんです。だから,これは時間的にはまさに逆転してるわけです。だから,研究科の実施指針が親規定で,申請者A先生のとこのは子の規定になるはずなんですけど,実は時間的にはこちらの方が先にできちゃってるわけですよ。だから,もし言葉の問題は修正する必要があるかどうかということは議論していただければいいんですが,内容的に齟齬を来すようなことがあれば申請者A先生のとこへ要望して,こういう点は修正してもらいたいということを言う必要があるというふうに思っております。行き違いがあるのはそういう理由なんですね。
F: その事情はよく分かります。私も記憶しておりますので。
 ただ,形式的な用語はやっぱり統一しておいた方がよろしいし,それからD先生が指摘されたように,「講座」となってるのは,これは極めて問題だと思いますので,そのあたりの形式的なところを整理していただければというふうに思います。
A : 分かりました。
 それでは,これは内部の規定ですので,その点を要望して少し手直しをしてもらうことにいたしましょうか。
F: といいますか,資料1の我々の審議した方を修正すればいいだけかもしれませんので。
A : それは「研究室」という言葉ですか。
E: 日付を。
A : 日付は変わりません。
F: 日付はもうこだわらなくてもいいと思います。
 具体的に申し上げますと,この資料1の4条3項のところを「個々の研究室または講座の実情に応じ」というふうに直して,資料3の方については,これは「腫瘍制御学講座申請者A研究室」というふうに研究室名を入れていただくと。それから,詳細な実験実施要項というように,規則じゃなくて「実験実施要項」という表記になっているので,たしかこれを決めるときに「実験」というのはちょっとよろしくないだろうというので,私たしか修正意見で「研究」というふうに修正したのを出して,ここが直ってなかったみたいなので。
4条3項の方ですね,資料1の方。説明の仕方が,少々まずかったようですけど,資料3の方,申請者A先生に直していただくのは簡単な話で,「講座」じゃなくて「研究室」だよという表記と,あと「ヒトES細胞使用規則」というところを我々がこっち側の資料1の方の文言をどう修正するかによって,それに合わせていただければというだけの話ですが。
A : はい,どうぞ。
E: まず,整合性を保つためには,こちらの委員会の,この実施指針が17年7月7日制定ですね,少なくともこれと同じかそれより後の日付にこの申請者A先生の方を変える必要がある。
 それと,今のF先生がおっしゃったとこの文言ですが,もとの方が実施指針であるので,こちら第4条3項の方を「指針の細則を定め」とすれば,申請者A先生の方は「使用細則」というふうに,1字だけ変えれば済むんですね。実情に応じていろいろ変わるというのも何か少し変なんですが……。
A : 確かに文言に関してはそういうことでして,例えば研究室というのが非常にあいまいな表現ですよね。これは基本的に僕が下書きをしたんですが,やっぱり自分の日常の言葉遣いになってしまうんです。ただ,もちろんこれは正式に決定されたものですので,変えようと思うとまた正式に上げて,これこれこういう理由で変更したいという手続が必要なんでしょう。
F: どうでしょうね,字句訂正ですから。
E: 大したことない。
F: 字句訂正ですから。
A : それで,言葉の齟齬というのは事務的常識からするとどの程度の齟齬が許されるものなんですか。
E: やはり……。
A : ちょっと今事務側の御意見を伺いたいと思って,事務的な常識からいいますと。
事務担当: 少なくとも,研究室というのはないんで……。
A : ないものね,実態が。
事務担当: 講座の下は分野になりますから。
A : そうですね。
事務担当: 何々分野というふうにしていただく。
A : 分かりました。そうしましょう。
E: よろしいですか,意見。今の4条3項ですね,「合致する範囲内で」の後の「個々の研究室の実情に応じ」というのは必要でしょうか,「その範囲内で細則を定め」,ずっと来て最後の方も「使用者責任によって本指針及び細則が遵守されていることを是非確認しなければならない」というふうに文言を変えれば,あと日付の問題で申請者A先生の方をこの日にちの同じ日か次の日にしていただくと。「使用細則」と書いていただければつじつまがすべて合うと。
A: 「個々の研究室の実情に応じ」というのは取ると。
E: はい。で,「合致する範囲内で」。
A : それから,詳細な……。
E: 詳細な。細則というのは詳細という意味も含みますんで。
A : 範囲内で。
E: 「範囲内で本研究実施指針の細則を定め」とか何かそんなふうに変えれば,これを受けてそれよりもっと細かいルールを決めるということです。
A : そうすると,「事項に合致する範囲内で細則を定め」,これでいいじゃないですか。それが一番簡単じゃない。
E: そうですね。
A : みんな取っちゃう。
E: ええ,みんな取るんですね。
A : 範囲内で細則を定め。
E: 「範囲内で細則を定め」,後ろの方も「この使用者責任によって本指針及び細則」でしょうか。両方でしょうね。
事務部長: そういうことで細則と言ってしまうと,実験指針細則という意味にとられる可能性があるので。
A : ああそうか,ああそうですね。
事務部長: その言葉は余り,これは使用責任者が定めということになってますので……。
A : なるほど。
事務部長: 細則というとこの実験室の細則になる可能性があるというふうにとられる可能性がありますね。
A : なるほど,直接リンクするわけですね。
事務部長: 違う方がいいと思います。
A : ああ,分かりました。やっぱり細則という言葉はよくないんですって。
E: この指針の細則を定めることをこの委員会が申請者A先生の側に要求してるわけじゃないわけですか。
A : いやいや,細則というのは,この規程にくっついてるもんだから,基本的にはやっぱり申請者A先生が定めるものじゃないということだと思いますよ,今の御意見は。
E: 本来そうなんですが,この条文がその権限を与えるというよりも,それを義務づけている。ここに定めて報告しなければならないということで,「定める」というのは「なければならない」までかかわっているので,この条文によってそれを義務づけているというふうに読めるんですが,だからこそ細則になると思ったんですが,そこんところを。
A : いやいや,細則ということがそうじゃないんだと思うんです,今の御意見。
E: 本則があって細則があるんですね。
F: 委員会に報告し,承認を受けるという手続からすると細則にはならないという部分,確かにそうですね。こちら側が決めてこうですよとやれば細則でしょうけど,向こうから上がってきたものを報告を受けて承認する形なので,細則ではないと思います。
A : ないですね。
E: 作るのは,申請者A先生の方からですね。
事務部長: 改正するとなると手続は,基本的にどんな文言,一字一句とも同じですので,余りそこにそんなにこだわらなくてよろしいと思います。
A : じゃあ,ちょっとここで細かいことをしても何ですので,後で少し事務方の御意見も伺いながら文案を考えてみます。一応そういう趣旨で言葉を,特に「研究室」という言葉は妥当でないので,その部分を修正していただくと。
 それから,その範囲で先ほどの腫瘍制御学講座分野名を入れて,こちらも当然日付は変わりますから,それを改正していただくと。よろしいですね,その点に関しては。
 では,ちょっともとに戻りまして,大体いろんな御意見をいただきましたけれども,ES細胞使用記録簿,それから入退室の記録簿,これでよろしいでしょうかね。はい,どうぞ。
F: 4の2の使用者氏名で,さっき3名入ったら3名という話があったんですけど,事務担当さんがこれを作られたヒントになったのが先ほどの資料3の3の方ですよね,資料3の数字3の方をベースに4の2を作られてるということなんですけど,どうなんですかね,私ちょっと分野外なもんで,ある実験をするときにそれを補助的業務をする人が一緒にくっついて入ると,やっぱりその場合でも使用者になるんですか。
G: なるでしょうね,それは。
F: であれば複数名ということなんですね,なるほど。はい,分かりました。確認でした。
A : よろしいでしょうか。それでは,基本的にいろいろ御意見をいただきましたので,その御意見に従って修正すべきは修正いたしますし,それから資料4の1についての記入の要領といいますか,それについても文案を練って,改めて先生方にお送りをして,最終的にその御承認をいただいてから申請者A先生の方に連絡をしたいと思います。
 それでは,この件に関して,特にほかに何かございますでしょうか。よろしいですか。
 先ほど申し上げましたように,11月中には恐らく細胞が届いて研究が開始されるんじゃないかと思うんですけれども,そうするとそれまでにもちろんこの手続をみんないたしまして,そういう記録を最初からとっていただくということになりますが,この委員会は当然半年に一度報告書が上がってきた時点で開催することになります,少なくともですね。それは開催しなくてはいけないわけですけれども,それまでに何かもうちょっと集まってこういう議論をした方がいいということがございますでしょうかね,今の段階で。
 最初ですから,例えばいろんな考え方があると思いますけれども,実際に使い始めて1カ月ぐらいしたときに,使用責任者においでいただいて,実際使ってみてどういう状況であるかということを伺うということも一つの考え方だと思うんですね,何か現実に問題があるかどうかとか。
G: 3月ぐらいでいいんじゃないでしょうか。
A : ほぼ半年に近いぐらいですね。
G: 最初ですから,ちょっと早目で3月なら切りがいいんじゃないかなと思いますけど。
D: 今年度中ということですね,結局は。確かに今年度に起こったことですから,今年度中に一度見ておくというのは理がかなうと。
A : なるほど。事務的には,それでよろしいでしょうか。何かほかに理由があってもうちょっとはやくやらなくてはいけないとかということはありません。
事務担当: いえ,指針と実施指針と書いてあるのが,指針には特に定めはないので,特に期間の。
A : 分かりました。それでは,日程調整はずっと先の話ですので,もう少し近づいてからメール等で日程調整をさせていただきたいと思いますけれども,現在のところの予定といたしましては,3月,今年度中に一度この委員会を開いて進行状況ということをチェックするということにしたいと思いますが,それでよろしいでしょうか。
E: 日程をもし変えるんであれば,今決まらないでしょうかね。
事務担当: 原則第4月曜日のこの時間ということでいかがでしょうか。
A : ああ,そうですかね,今からそうしときますか。
E: 第4月曜ですか。
A : そうすると,3月27日ですね。
E: 私は,申しわけありませんが欠席です。
G: 私も27日は無理です。
A : そしたら,やっぱりちょっと後ほど,原則月曜日で,例えば2月の後半から3月にかけてちょっと調査をして,それから決めましょう,この場では欠席の委員もいらっしゃいますし,それでは大体2月の末から3月にかけて一度開催するということで。
 そのほかに特別何か全体として御意見がございましたらお伺いいたしますが,よろしいでしょうか。
F: 新規の申請が上がってきそうな雰囲気はありますか。
A : 学内でですか。
F: 学内で。
A : 私が知る限りではないと思いますね。
F: ああ,そうですか。
A : やはりこれは相当準備の要る話なので,そういう取り組みが学内の再生医療関係の研究はほとんど体性幹細胞をやるというところに今重点が置かれているので,ちょっとそっちに行かないんじゃないかと思いますね。
F: 委員会がどのぐらい忙しくなるのかなというちょっと先よみ・・・。
A : そういう意味からいうと,それほどのことはないんじゃないかと思うんですけどね。全国的には,もうちょっと規則を緩めて取り組もうと,特に韓国から刺激が非常に強くて,全体としてはそういう方向に移りつつあるようですけれど。はい,どうぞ。
D: 先ほどホームページに公開するという話がありましたけども,鹿田地区の広報委員会の委員長としまして発言させていただきますが,今ホームページ,医療系キャンパスの総合案内のトップページを作り直しております。そこの中にこの倫理審査委員会すべて網羅した形で一つ入り口ができるんですけども,そこはきれいな形で今ないんですね。そのところに関しましてロゴマークじゃないですけど,何かマークを作られるか,何かどういう形でいかれるか,少し本当はこの委員会じゃなくて倫理審査委員会すべての者で検討しなくちゃいけなんだと思います。事務担当さん,よろしくお願いしたいと思います。実際いろいろアップされてるのは事務担当さんなので,助かってはいるんですけども,ある意味ではES細胞の方は世間からいろいろ注目されていろいろアクセスの多いとこだとも思いますので,よろしくお願いいたします。
A : 先生のおっしゃるのは,倫理審査委員会全体としてある種のロゴマークということですね。
D: マークなり,何か目立つ形にして。
A : なるほどね。じゃあ,倫理委員長と事務担当さんで相談していただくようにいたしましょう。よろしくお願いいたします。
 それでは,よろしいですか。
 じゃあ,少し予定より早いですけれども,これで委員会を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。