口腔がんは、一般に舌をはじめとして頬・口底・上下顎歯肉・口蓋の口腔粘膜上皮から発生するがんのことを言います。他の臓器の悪性腫瘍と異なり、肉眼で発見しやすいので、患者さん自身や歯科の先生に見つけられて、早くに専門機関を受診される方もおられますが、口のがんはある程度大きくなるまで症状が乏しいことから、歯医者に定期的にかかっていない場合などは、受診する時期が遅くなってしまうこともあります。口は呼吸や会話、咀嚼や嚥下などの食べ物に関する機能を有しており、この機能が大きく損なわれますと、審美面や会話でのストレスや食べ物を味わうなどの楽しみの低下など生活の質(Quality of Life)での“楽しみ”の面に大きく影響します。できるだけ、歯科医院で歯だけではなく口の粘膜の病気についても定期的に診てもらってください。
口腔がんの原因は、たばことアルコールと言われています。また、歯牙の鋭縁や義歯など機械的刺激が誘因となることがあります。粘膜のただれが、2週間以上治癒しない場合や、歯牙の鋭縁など機械的刺激を取り除いても治癒しない場合は、専門医の受診をお勧めします。