Q&A

1.加齢によるもの忘れと認知症のちがいは?
もの忘れは、体験の一部を忘れますが認知症では体験の記憶全体を忘れてしまいます。
また、認知症はもの忘れが少しずつ進行していきます。
2.認知症を早く見つけるポイントは?
認知症の初期に見られる症状は以下のようなものがあります。
→「OLD」
当てはまる項目が4つ以上あれば、早めに医療機関を受診されることをお勧めします。 また、当てはまる項目が3つ以下であっても,数年前と比べて、明らかに症状が悪くなっ ている場合には,受診をご検討ください。

> 初期徴候観察リスト(OLD)

1いつも日にちを忘れている
-今日が何日かわからないなど
2少し前のことをしばしば忘れる
-朝食を食べたことをわすれているなど
3最近聞いた話を繰り返すことができない
-昨日、伝えたことなどを思い出せない
4同じことを言うことがしばしばある
-1日の内でも、同じ話や質問を繰り返しする
5いつも同じ話を繰り返す
-誰かに会うと、いつも同じ話(昔話など)を繰り返しする
6特定の単語や言葉がでてこないことがしばしばある
-仕事上の使いなれた言葉などがでてこないなど
7話の脈絡をすぐに失う
-話があちこち飛ぶ
8質問を理解していないことが答えからわかる
-質問に対する答えが的はずれで、かみあわないなど
9会話を理解することがかなり困難
-本人の話している内容が分かりにくいなど
10時間の観念がない
-時間(午前か午後さえも)が分からない
11話のつじつまを合わせようとする
-答えの間違いを指摘され、言いつくろおうとする
12家族に依存する様子がある
本人に質問すると、家族の方を向くなど
3.なぜ早期発見が大切なのですか?
早期発見・早期治療によって病気の進行を抑えることで生活の質を保ち、ご本人とご家族の負担を軽減することができます。
4.どんな検査がありますか?
CT(コンピュータ断層撮影装置)、MRI(核磁気共鳴断層撮影装置)、SPECT(脳血流シンチグラフィ)による画像の検査や心理検査などがあります。
5.認知症の種類によってちがいがありますか?
個人によって症状の出方は異なりますが、一般的にはアルツハイマー型認知症はもの忘れに始まり、もの盗られ妄想が現れることがあります。
レビー小体型認知症は実際にはないものをあると感じる幻覚や便秘・立ちくらみが見られることがあります。
6.どんな薬がありますか?
詳しくはこちら「お薬について」をご覧ください。
7.薬以外の治療法がありますか?
科学的な根拠を認められた治療法はありませんが、脳の機能を活性化して認知機能や生活能力を高めることは大切だと考えられています。
昔の苦労話や自慢話をしてもらう回想法、音楽療法や園芸療法、絵画や陶芸などの芸術療法、運動療法などが行われています。
8.もの忘れが気になります。日常生活で気をつけることは?
大切な約束などはメモに書く、カレンダーを毎日確認する習慣をつける、物の保管場所に張り紙を貼るなども良いでしょう。
また、安全のために外出時には名前と連絡先の分かる物を身につけてもらったり、近所の人へ事情を説明しておくと良いでしょう。家の中では段差をなくし、階段や廊下の照明を明るくしましょう。
家庭内や地域で本人ができることを重視して役割や出番を作ることが大切です。本人のやる気を引き出すことにつながります。
9.本人への接し方のコツはありますか?
間違いを否定しない、本人のペースに合わせて落ち着くのを少し待ってみるなど気持ちに寄り添う対応が大切です。安心して過ごせる環境づくりを心がけましょう。
また、介護する人が健康でいること、そのために相談できる人と場所があると良いでしょう。
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