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もの忘れや理解力の低下などの症状(認知機能症状)に対して使用するお薬

認知症の主な症状である、もの忘れ、時間・場所の状況がうまく把握できない、理解力・判断力の低下、計画だてて物事を行えなくなるなどの症状(認知機能症状)は、加齢とともにあらわれる異常なたんぱく質が原因で、脳神経同士の連絡をやり取りする「アセチルコリン」という伝達物質が減少したり、神経細胞が過度に刺激されたりすることで生じると考えられています。そのため、これらの認知機能症状の治療には、「アセチルコリン」の量を増やす作用のあるお薬や、神経細胞への過度な刺激を抑制する薬が使われます。具体的には、2016年4月の時点で以下の4種類のお薬がアルツハイマー型認知症の認知機能症状に対して使われます。

先発医薬品名 成分名 剤型 特徴 主な副作用

アセチルコリンエステラーゼ阻害薬 (脳内のアセチルコリンを増やす薬)

アリセプト ドネペジル 錠剤、口腔内崩壊錠*1、細粒、ゼリー、内服用フィルム 以前からよく使われている薬。
薬の剤型が豊富なため、飲み方に合わせた剤型を選択できる。
吐き気、嘔吐、下痢
レミニール ガランタミン 錠剤、口腔内崩壊錠*1、液剤 液剤が利用できる。 吐き気、嘔吐
リバスタッチ/イクセロン リバスチグミン 貼付剤 貼り薬であるため、内服しにくい場合でも簡単に使用できるが、剥がれてしまうと効果はない。 貼付部位の発赤、湿疹

NMDA受容体拮抗薬 (神経への過度な刺激を防ぐ薬)

メマリー メマンチン 錠剤、口腔内崩壊錠*1 アセチルコリンを増やす薬と一緒に使用することが出来る。 めまい、頭痛、便秘、眠気

*1 口腔内崩壊錠:少量の水分で溶けて飲み込めるため、水無しで唾液のみで服用することが出来る薬剤。

これらのお薬でアルツハイマー型認知症が完治することはありませんが、症状を改善して健康でいられる時間を長くしたり、介護される方の負担を軽くしたりすることが期待できます。
また、なるべく早く治療を開始したほうが、お薬による治療効果が高くなることが期待できます。

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