前頭側頭型認知症は、脳の前頭葉と側頭葉という部位が障害されることで発症します。タウをはじめとする、数種類のタンパク質の異常な蓄積によって生じることが分かっていますが、まだ不明な点も多い病気です。初期に記憶力が保たれやすい一方で、性格変化や行動変化が目立つことが知られています。周囲への配慮が難しくなり、衝動的な行動、反復的な行動が増えて、社会のルールを守りにくくなります。ほかの認知症と比べて若い年齢で発症することが多く、70歳頃までに発症する方が多くみられます。前頭側頭型認知症は介護するご家族の負担も大きい病気であり、物忘れの専門外来で診断を受けて、介護と制度利用について支援を受けていただくことが大切です。